黒川検事長500万円賄賂疑惑の証拠録音記録

「桜問題」、IR汚職、新型コロナウイルスへの杜撰対応と共に、いま安倍内閣を直撃している黒川弘務・東京高検検事長(63。冒頭写真右側)の定年延長問題ーー本紙ではこの黒川氏に浮上して来た“賄賂疑惑”について2月28日、そして3月8日に追加報道。さらに3月13日には、その証拠の一つの音声記録を一部公開(約16分の内の1分2秒)した。

それなりに話題を呼んでいるが、本日、『日本タイムズ』がその約16分のうちの主要な6割ほどの部分の反訳(テープ起こし)を、同社HP上で公開したので以下に紹介する。

同記事のリード部分でも触れられているが、この音声記録につき、当事者のN氏は、こういうことをいったが、それは「戯言」(デタラメ)と本紙・山岡の取材に返答している。

ところがその後一転、取材時に同席した共通の知人を介して、本紙が公開した1分2秒分の音声を聞いたが、自分の声ではない(つまり他人のもの)といってきた。

だが、誰が聞いてもその声、言い回し、内容といい、N氏のものであるのは明らか。そんな見え見えの嘘をいわれれば、なおさら「戯言」という言い分は、関係をバラされたら困る、N氏と3人で食事したともいわれている黒川氏、某衆議院議員の方から猛烈な抗議が来たためとも勘ぐりたくもなる。

ともかく、まずは読者一人ひとりの目でその反訳をじっくり見ていただきたい。

●日本タイムズの反訳(*ココをクリックすれば無料で見れます)

 このように、あの食肉大手「ハンナン」(現ハニュ―フーズ)の浅田満元会長(偽装牛肉事件で服役中)の秘書をしていた根来弘務氏を黒川氏に繋いだのは、松原仁衆議院議員(横写真。7期。無所属)とされる。

その前原氏、2012年1月に発足した野田第1次改造内閣で国家公安委員会委員長として初入閣。

民主党に所属していたこともあり、なぜ、与党(自民党)でもない松原氏が、いくら国家公安委員長を務めたとはいえ、辞めてから6年も経た時期に黒川氏を根来氏に紹介できるのか? と疑問に思われるかも知れないが、この点に関しては、昨日、現在、国家公安委員長を務める武田良太氏秘書の記事紹介のなかで載せている、大臣経験もある某人物の以下のコメントを再掲しておく。

「国家公安委員長を務めた者が、その後も警察や、起訴の有無や公判を担当する検察(法務省)にパイプを持ち、黒川氏と付き合いがあってもおかしくはない。まして、それが野党政治家とすれば、稀有なケース故に、野心家であれば、その後も自民党(与党)側とのパイプ役として暗躍できる。一方の法務官僚も野心家であれば、野党側とのパイプ役として重宝するはず。そして、黒川氏は安倍政権のイエスマンともいわれるほどの野心家ですから」。

なお、この約16分の分同様、根来氏と事件処理を頼んだ側の2人の会話の別の分のなかには、根来氏が松原氏の事務所に行くとして、衆議院第二議員会館に車を横づけする会話も納められている。

また、もう一つの別の分のなかには、収賄の文部官僚だけが逮捕で、東京医大の臼井正彦理事長(当時)が在宅起訴ではおかしいと思われるので、臼井氏は病気ということにした旨の根来氏の発言が入っている。

「これが黒川検事長500万円賄賂疑惑の証拠録音記録」
https://nippon-times.net/news/
2020年3月 特報 日本タイムズ

本紙は3月号で「安倍政権を直撃、黒川検事長の500万円賄賂疑惑」なるタイトル記事を報じた。

東京・六本木のキャバクラ女性引き抜きを巡り発生した傷害事件につき、「ハンナン浅田元会長の秘書」だった根来浩司氏が加害者側から工作を依頼され、安倍政権にとって大きなダメージの一つになっている定年延長問題で渦中の黒川弘務東京高検検事長にも500万円渡すといわれ支払ったという重大疑惑。

本紙が加害者側のこの証言を信じ、報じたのは、根来氏が松原仁衆議院議員(元国家公安委員長)を介して黒川氏に会ったなどと言っている、今回公開する録音記録などを入手していたからだ。

ただし、この録音記録に出て来る「500万円」は、キャバクラ女性引き抜き巡る発生した傷害事件とは別件、同じ18年に事件化した東京医科大学に便宜を図る見返りに文部官僚の息子を裏口入学させた贈収賄事件で、贈賄罪に問われた臼井正彦理事長(当時)が、文部官僚同様に逮捕ではなく、在宅起訴にしてもらったお礼に根来氏が出したとされる金額。

なぜ、500万円を臼井理事長ではなく、根回しに動いた根来氏が出したかといえば、根来氏からすれば心臓病手術で臼井理事長は命の恩人だからだ。

この録音記録は、前述の傷害事件で根来氏が上京し、根回しに動くなか、依頼者側関係者が運転手を務めており、その運転手と根来氏の2人だけの車中の会話。依頼者側と2人だけの密室、また東京医大の贈収賄事件が世間を騒がせてほどない時期だけについ気が緩んで話したのではないか。

なお、その根来氏、共通の知人を介し、この録音記録は「戯言」(デタラメ)と伝えて来た。

しかし、本紙は他の証拠、傷害事件での依頼者側の証言の信ぴょう度などを精査した結果、信じるに足ると判断。

もちろん、公益性があることはいうまでもなく、この約16分の録音記録の主要部分をここに公開する。

複数の関係者への取材結果で、根来氏が法務省にかなりの人脈を持つことは明らか。
その点も加味し、根来氏の「戯言」との言い分は言い逃れに過ぎないと判断した。

「松原代議士を介して黒川氏に接触」

(前略)

根来: ともかく10日しか先生(=松原仁。編集部注。以下、先生はすべて同)アカンヨ言うた、そうでなかったらずっと逃がすで、したら俺聞かんかったことにしてくれ。

●●: あー、やっぱりそういいますよね、先生。

根来: 聞かんかったことにしとくれと、先生 10 日で出してくれ、出すからそれ交渉してくれいうた、それも含めて話しすると、とにかく冤罪事件つくったらあかんやないかと、コイツどうしようもないらしいわいうたら。

●●: 上田(検事。*編集部注) 。

根来: 上田、それどうしようもないやつらしいよ言うたら、それも話すると、誰とは言えへんかったけどな、考えて俺と会うわって言うとったから、多分黒川(弘務。当時は法務省事務次官。*編集部注。以下、黒川同)。

●●: あ、松原先生が誰と名前は言わないということですか?

根来: 言わなかったけれども、黒川いうのおるやんか。

●●: さっき言ってた、、、 。

根来: うん。

●●: 法務・・・偉い人、

根来: 一番やこれ以上偉いのおれへん、日本中探してもおれへんのやんけ、あの〇〇〇のものすごい警戒しとる、書いたもんでもな、名前、何々様とか、だから俺も書いてない、あれ消してくれ言うねん。

●●: はあ・・・ 。

根来: あれは書いてなかったからええんやで、あの、これ事実だから、たとえば松原先生とか、根来とか、いうのはもう消してくれいう、だから FAX あかんよいう。

●●: 名前が出るから?

根来: 残るやろ、ほんで来てくれ言うんや、前はそれでも良かったんや、いまはゴッツイ警戒してる、なんでか言 うたらな、万が一こういうことがあったときに、蓋空いたときに自分たちもいかれるやん。

「証拠が残らないように携帯を預けて」

●●: 蓋が空いた時に自分たちもいかれる、何か不正が暴かれる。

根来: そうそうそうそう、議員の場合は請託とかいろいろあるやんか、やってはいけないこと、請願はええんやで、受けるやつはええんやで、人の悩みを聞くことは、政治家やからね、それを圧かけてやったらいかんということや、それがなんだかでバレタ時は自分の首が飛ぶという、黒川さんなんか特に役人やからな、俺らと飯 食うてても、こんなんやで、携帯、いま録音できるやろ、預けてくれいうてん。

●●: ええ?

根来: 預けてくれいう。

●●: 携帯を?

根来: うん、預けてくれって自分もやで、本人も。

●●: ええええええええ。

根来: いまそんなんやで、食事するときでも、料理屋で飯食うやんか。

●●: はい、何処に誰に預けるんですか?

根来: そこへや。

●●: すごいですね。

根来: いまそんだけ警戒すんねんて。

●●: 証拠が残ったらいかんからですか?

根来: いま録音なんか簡単にできるやんか。

●●: もういま、こういう腕時計でもできますね。

根来: ああそう。

●●: ピィっと押したらもう。

根来: だからもうそんなんね。

●●: 腕時計、会長ボールペンあるじゃないですか、ボールペン置いとってカチってやったらそれで録音できるんです。

根来: ああそう。

●●: はい、気を付けてください。

根来: 俺いまこないだな、紀尾井町のその角あるやん、ニューオオタニの角の、あそこの料理屋で松原先生と黒川さんと、飯食うたんや。

●●: そうなんですか。

根来: おお、その時言われたんや、全員がやで、俺だけじゃないよ、黒川さんもそうやし、松原さんもそう、俺 もそう、こんな箱あるやんか。

●●: はいはいはいああ、貴重品入れみたいな。

根来: そうそう、これに悪いけど入れて。

●●: そんなんですね。

根来: ねえ先生、こんなんしてせな飯食わな、いまそうなったんよ。

(中略)

「東京医大裏口入学巡る贈収賄事件」

根来: 今度行くときそれ(=小さな録音機。*編集部注)持ってくわ(笑 こんなん言うんやで、なにもね、お互い疑ってるわけじゃないよいうて、だけど、瑕疵が残らんように。

●●: はい?

根来: 瑕疵、傷が残らんようにお互いにしましょうや。

●●: でもそんなの食事に行ってるとこメディアに撮られたら終わりですよね?

根来: 関係あらへん、飯食うの。

●●: 内容が分からなかったら良い?

根来: そうそう。

●●: これお願いしますよとか話じゃなかったら・・ 。

根来: いやいや雑談やんか、飯食いながら雑談 。

●●: ああ・・・。

根来: 俺は仕事の話したよ、だけど、それが瑕疵がない、後に残ったら困るということや、せやから俺は良いですよ、結構ですよ言う、松原さん言うた、いまうるさいんやー言うて、あのね、このあいだの東京医大の谷口 いうてな、あいつがみんな飯の時のテープ録っとったんや、それで検察に捕られてもうたんや、ほんで起訴されたんや。

●●: 食事行っただけでですか?

根来: 食事行った時の内容や。

●●: 内容録られてたんですか?

根来: 谷口いうのおるんや、医療ブローカーが、コイツがみんな録っとったんや、京王プラザでな、上で飯食うたんよ、臼井さんと、事務の官房長や、文科省の、それと谷口が飯うた、それテープ録っとったんや、それ検 察に押収されてん携帯、逮捕された時にな、携帯押収されてそのテープや。

●●: ああ、そん時の会話が。

根来: 会話、その時に、うちの息子な、どこの大学行ったら一番ええかなて言うてんのよ、文科省が、臼井さんが、うちの大学入れたらどうって?うちの大学受験したらどうって言うた、それしかないんや会話。

●●: もうそれでダメなんですか?

根来: それで入ったやん裏口で。

●●: それがアウト?

根来: それが結局点数足らんのに入って、で予算を取ったと、東京医大に、それやん、贈収賄、テープだけやん ほんでこの谷口いうやつ、こいつものすごいしっかりしとって、調書1枚もとってない、で、起訴されてもうた、証拠それしかない。

●●: その携帯だけで?

根来: 録音、喋ってることがな、文科省の息子がな、前川ちゃう、なんていうたかな、この人が NO3 や文科省の、ほんならその自分の息子な、うちで入れてもらうために、予算を取ったと、こういうことや、ここに弘中いう弁護士入っとるんや、こいつな、西の後藤か東の弘中いうて無罪とる弁護士やねん、ひょっとしたら無罪 なるかもわからん。

●●: ええええええ、臼井さんがですか?

根来: 臼井はならへん。

「逮捕のところを在宅起訴のお願い。黒川氏と食事」

●●: 臼井さんは自分で言ってるんですよね?

根来: 言うてない、在宅にしてくれって頼んだ、認めるからいうて、認めるんで在宅や、逮捕されてないよ。

●●: 起訴された奴が無罪になるかもわからんと?

根来: なる可能性ある、臼井さんはならへんで、自分で認めてんのやから、認めるんで在宅でお願いします言うたんや、で、在宅にしてもろうたんよ、パクれへんかったんや、臼井さんそれでええって言うから、逮捕されてな、もうこれ90日、もう100日やいま、未だに接見でけへん、否認してるからや。

●●: しんどいですね。

根来: そりゃ覚悟のうえやろ、俺臼井さんに電話したら根来さん俺認めるんで言うからな、認めるんやったら俺お 願いするとこあるんで、在宅で頼みますわ言うたら、根来さん是非そうしてくれ言うから、ほんで在宅に、ゼーンブ逮捕されへんのやから。

●●: すごいですね、逮捕されないっていうのが、あれだけの報道が出てあんだけんなって在宅でするってのがす ごいことですね。

根来: それが黒川さんがしてくれたんや、その時や俺飯食ったの。
●●: そうなんですか。

根来: お願いします言うて。

●●: そんな力があるんですね、、、。

根来: そりゃ法律家の一番やもん。

●●: でもあんなテレビで大々的にやったことをそんな在宅にしたら、何かの力が働いたいうの誰でもわかること、、、。

根来: 誰でもわかるけど、誰がやったかわからいえん。

●●: そんな無理をそんな偉い人が聞いてくれるんですね、、、。

根来: 俺の頼みやったら聞いてくれへんで、松原が一緒で、やったってくれやー言うて、その時も言うた、無理言うなよー言うたんや、無理言うなよー・・・て言われた、無理言うなよー仁ちゃんて言われたんや、何とかお願いします言うた、それが飯食う、その時にあれやんけ、携帯預けてくれて言われた。

●●: あああ、そんなもん残ったら大変ですもんね。

「命の恩人なので、自分が500万円だけ払った」

根来: 自分の首飛ぶやんけ、それで紀尾井町の飯屋で飯食うたんや、その時の正直な話な、臼井さんから俺は金貰うてないねん、俺の命の恩人やから、俺命助けて貰うた先生やねん、その時も俺 500 万しか持って行ってないんや。

●●: 会長がお金出したんですか?

根来: 俺出したよー、臼井さんが礼させてもらう言うてくれてんで、いや、もう結構や言うて、あの時も痛かったよー俺、そやけどな、俺命を救ってくれた先生やねん、この人は、ほんまやったら俺死んどったんよ、この先生に助けてもろうたんや。

●●: もう本当に死ぬ、、、。

根来: 死ぬ間際や、それ東京医大で助けてくれたんや、その時まだ、臼井先生学長の時やねん、東京医大の、それが理事長にまで上り詰めて、その代わり一瞬にして終わったやんけ、今度で、いままでやってきたキャリア 飛んでもうたんや。

●●: 勿体ないですね、、、勿体ないいうても、、、もうどうにもなりませんもんね、、、。

根来: そやけど本人は物凄い喜んでんねんで、根来さんのお陰や言うてな、本人が特捜に呼ばれたんやいうて息子から電話あってん、臼井の息子から、これも医者やねん、で分かったいうて、先生の携帯言うたら、もう携帯な、盗聴されてるか分からんて言うて、で、息子がお父さんの家行って、それで代わって俺と話しとった んや、ほんでもう全部認めますんでーて、本人がやで、もう聞かれてることやバッジのことと、聞かれてるんで、もう全部正直に話ししますんで、ほんならわしあれですわ、先生を在宅取り調べで、その代わり毎日 呼び出しきたら行かなあきませんよ言うて、検察庁へな、そういうことでお願いできますわ言うて松原さん に頼んで、面会あの、黒川さんと飯食うて欲しいんや言うて、頼んだんや。

●●: やっぱり松原先生ってそんな話聞いたらメチャクチャ力あるんですね、、、 。

根来: あのね、力あるってこれだけやで、警察と、法務省だけ、他はないよ。