塚田国交副大臣「そんたく」発言 野党が辞任要求で一致
2019年4月3日 17時02分
北九州市と山口県下関市を結ぶ道路の整備をめぐって、塚田国土交通副大臣が、「安倍総理大臣や麻生副総理が言えないから、私がそんたくした」と発言し、その後、撤回したことについて、野党6党派は、国会対策委員長らが会談し、塚田氏の辞任を求めていくことで一致しました。
今年度の国の予算で調査費が計上された、北九州市と山口県下関市を結ぶ道路の整備をめぐって、塚田国土交通副大臣は、北九州市で開かれた会合で、「安倍総理大臣や麻生副総理が言えないから、私がそんたくした」と発言し、その後、事実とは異なるとして、撤回し、謝罪するコメントを出しました。
立憲民主党など野党6党派の国会対策委員長らが、3日、国会内で会談し、「撤回と謝罪では済まされない」として、塚田氏の辞任を求めていくことで一致しました。
また、憲法改正をめぐって、与党側が、国民投票法の改正案を審議するため、3日、衆議院憲法審査会の日程を協議する懇談会を開催したいとしていることに対し「与野党の合意がない」として、応じられないという方針を確認しました。
このあと、立憲民主党の辻元国会対策委員長は、自民党の森山国会対策委員長と会談し、こうした内容を伝えたあと、記者団に対し、「言ったとたんに即、辞任で、アウトだ。利益誘導、あっせん利得だ。塚田氏は辞任されたほうがいい」と述べました。
立民 枝野代表「普通なら恥ずかしくて辞める」
立憲民主党の枝野代表は記者団に、「『それを言っては、おしまいよ』みたいなことを言ったので、普通なら恥ずかしくて副大臣なんて続けていられないと思うが、辞めていないことにびっくりする。よほど何かの皮が厚いのか、普通は恥ずかしくて辞めているはずだ」と述べました。
国民 玉木代表「権力の私物化の証左」
国民民主党の玉木代表は、記者会見で「撤回で済む話では全くない。典型的な公共事業の利益誘導の可能性がある。政権が長期化し、ある種の緩み、おごり、権力の私物化が目立ってきている証左だ。何らかの政治的な圧力で政策決定が曲げられていないか、しっかり検証していく必要がある」と述べました。
共産 穀田国対委員長「利益誘導とも言える内容」
共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で「みずから『安倍・麻生道路』ということを証明したようなものだ。統一地方選挙の最中に、利益誘導とも言える内容で許しがたく、辞めさせる以外にない。安倍総理大臣の責任も問われる問題で、予算委員会を開いて、徹底解明を行う必要がある」と述べました。
官房長官「二度とないよう注意した」
菅官房長官は、午前の記者会見で「きのうの午後、本人から『事実と異なる内容の発言で、訂正と謝罪を行った』という趣旨の説明があった。私からは、説明責任をしっかり果たし、二度とこうしたことがないよう注意した」と述べました。
自民 吉田参院幹事長「首相にそんたくしていない」
自民党の吉田参議院幹事長は「面会した際に、私が『分かってるな、これは安倍総理大臣の地元と麻生副総理兼財務大臣の地元の事業なんだよ』と発言した事実はない。九州・中国地方の経済成長や防災対策のために必要不可欠な道路であると考え、整備推進を訴えてきたが、当然ながら安倍総理大臣にそんたくして取り組んでいるわけでもない」とするコメントを発表しました。
自民 森山国対委員長「反省して頑張ってもらいたい」
自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「極めて遺憾な発言だが、本人も反省し、発言を撤回して、おわびしているので、野党にもご理解を頂ければと思っている。塚田国土交通副大臣には、強い反省の上に立って頑張ってもらえればと思う」と述べ、辞任の必要はないという考えを示しました。