「惨事ストレス(臨界事態ストレス)における支援者のストレス対策」

マニュアルは「新型コロナウイルス陽性患者が入院病棟で発生した場合の、他の入院患者への情報伝達、コミュニケーション、心理的支援に関する対応」と「惨事ストレス(臨界事態ストレス)における支援者のストレス対策」の2つ。

 前者では病棟でCOVID-19患者が発生した場合、既に噂や臆測が出回っていることを踏まえた対応の準備や実行、維持期の対応を列挙。医療スタッフの二次的被災の予防にも言及している。後者では「災害や事故などの特殊な状況での活動で救援者に生じる『惨事ストレス』が医療スタッフの心身をむしばみ、組織の疲弊や劣化につながる」として、対応のフローや惨事ストレスのチェック項目(図)を提示している。「惨事ストレスの予防に一番重要なのが初期の教育」と小川氏。マニュアルには「患者を守るために自分を守ろう」として、「休むことも仕事」「生活のペースを崩さない」「職場でお互いを守るためのポイント」などを示している。

 小川氏の下には新型コロナウイルスの院内感染への対応を進める複数の医療機関から相談が寄せられているそうで、COVID-19患者の診療に当たる医療機関に対し「患者を守るためにも、自施設のスタッフにも支援が欠かせない。これらのマニュアルを活用してほしい」と話している。

https://static.m3.com/clinical/news/2020/features/20200403_corona_stress/v1_1.pdf